マンション管理の部屋 -11ページ目
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ペイオフ(2)

昨日はペイオフの概要について書きました。
さて、今日は実際のペイオフ対策についてです。
マンションの資産運用はハイリスク・ハイリターンでは困りますが、かと言って全額決済用預金に入れてしまい、全く運用しないということでは理事としての責任を果たしたとは言えません。

これからの時代はマンションの資産を安全に、かつ有効に運用するという「マネジメント」が求められます。これには管理組合が主体的に意思を持つと言うことで「管理会社に全てお任せ」では通用しない時代です。

さて、では具体的にどのような運用の選択肢があるでしょうか?
管理組合の資産運用は「元本割れ」を絶対に避けなければなりませんので、安全な運用が求められます。

『決済用預金』

これは既に説明したとおりペイオフのリスクからは逃れられますが、無利息であると言うデメリットがありましたよね。

『国債・地方債』

言わずと知れた国や地方自治体が発行する公債です。今の日本においてはデフォルト(債務不履行)の危険性は低いので安全な運用と言えます。が、ここで注意が必要なのは満期前の中途換金の場合は元本割する可能性があるということです。ですから、購入する際には補修のための中途換金が起きないように、中長期間の修繕計画、資金計画が必要でしょう。

住宅金融公庫の『マンションすまい・る債』

これは住宅金融公庫住宅宅地債券(マンション修繕コース)の愛称で、年平均利率1.537%(満期時)で元本割れが無く、中途換金もOKという、かなりお勧めの運用先です。
その他共用部分の保証とセットになっている『積立マンション総合保険』や『公社債投資信託』等があります。

このような運用先の検討も大切ですが、まずは預金をしている金融機関の各付けに注意を払い、少なくとも自己資本比率や不良債権比率の確認を実施することがペイオフ対策の第一歩ではないしょうでしょうか?

その際、理事会で金融機関を評価する一定の基準値を決めておき、この基準より悪化した場合は速やかに対策を検討すると言った仕組み作りが有効であると思います。

ペイオフを考える

この4月から『ペイオフ全面解禁』となることは、新聞やニュースなどで随分報道されていますよね。

簡単に言いますと、今までは金融機関が破たんしても、預金は全額預金保険機構によって全額保護されていましたが、4月からは元本1千万円と利息以外については保護されなくなると言うものです。

そうは言いましても、個人的にペイオフを心配される方は預金資産が1千万円以上お持ちの方でしょうから、私からすると羨ましいかぎりです。皆さんも「私達には全く関係の無い世界の話しだ」なんて思ってますか?

ところがマンションにお住まいの方には非常に身近な問題なのですよ。マンションには管理費とは別に「修繕積立金」というものがあります。これは、将来の大規模修繕やマンション建替えに備えて毎月積み立てているものです。

仮に1戸当たりの修繕積立金が月1万円としましょう。総戸数100戸として1ヶ月100万円、1年で1千200万円になり既にペイオフ問題にかかわる金額となってしまいます。

「じゃあ、1000万円づつ銀行を分ければいいじゃないか」

確かにそうすれば預金保険制度による保護の対象となりますが、年数が経つと「修繕積立金」も数億円規模になってきます。これを1000万円に分けて別々の金融機関に預けることは、管理を考えると現実的ではありません。

ただし、ペイオフ全面解禁とは言っても例外があって、「決済用預金にあたる預金」は全額保護されることになります。この「決済用預金にあたる預金」とは①無利息、②要求払い、③決済サービスを提供できることの3条件を満たす預金です。

「じゃあ、これから修繕積立金は全額決済用預金にしよう! 簡単に問題解決じゃないか」

確かにそうすれば預金は保護されます。でも、ちょっと待って下さい。今の時代は預金の金利が0に近いので、それでも良いでしょう。管理組合員も文句は言わないでしょう。

しかし、これから金利が上昇してきて、仮に年利3%になったとしましょう。1億円の修繕積立金資産を1年銀行に預けると利息が300万円ですよ。これはかなり大きな金額で、むしろ全く運用しない方が問題になるでしょう。

では、明日はこのペイオフ問題に「どのように取り組むか?」についてです。

はじめまして

皆さんはじめまして!マンション管理士の薬丸です。
これから、このブログで皆さんとマンション管理について真剣に考えて行きたいと思っています。

はじめにお断りしておきますが、私はブログについては超初心者ですので、色々と不手際があると思いますが、徐々に勉強して行きますので、どうぞよろしくお願いします。

さて、皆さんのマンションでは管理組合活動は活発に行われていますか?「私は理事ではないし、よくわからない」、「年に1回の総会には出ているが、別に問題無いんじゃないかな?」「管理会社が大手建設会社の系列だから安心!」etc

本当にそれで大丈夫ですか?マンションというのはご存じのように皆さんがお住まいの“お部屋”と廊下や階段など“それ以外の部分”からなっています。この“お部屋”を法律では「専有部分」、“それ以外の部分”を「共用部分」と言います。

この専有部分は皆さんが実際に住んでいる部屋なので、皆さんが自分で掃除をし、不具合があれば自分で補修や修理をして大切に使っていることでしょう。しかし、共用部分である廊下、階段、エレベーター、外壁などはどうですか?自分の部屋と同じように大切に使っていますか?

もしかすると「きっと誰かがちゃんとやってくれている」なんて思ってませんか?
マンションで一番難しいのは、この「共用部分の管理」です。マンションはその構造上、専有部分だけでは成り立ちません。専有部分と管理の施された共用部分が合わさって、はじめて健全なマンションといえます。

これからマンションの管理についての問題を、このブログで考えて行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。
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