マンションの防犯対策(6) | マンション管理の部屋

マンションの防犯対策(6)

前回の続きで、 『犯罪者の心理』 についてです。

これは、実際に捕まった賊に警察がヒアリングを行った結果をまとめたものです。


Q:破壊しにくいドア鍵は?

カード鍵・・・・・・・・・・・・・ 31%

彫り込み箱鍵・・・・・・・・・ 27%

電気鍵・・・・・・・・・・・・・・ 24%

面付け箱鍵・・・・・・・・・・ 24%


この4種類の鍵の中では特に突出しているものはないようです。

ここで、「彫り込み箱鍵」等、普段聞きなれない鍵の形式が出てきましたので、ちょっと勉強してみましょう。



(開けられやすい鍵)


kagi3       kagi1


上の二つの鍵は一般的に開けられやすい鍵といわれています。


円形の断面を持つ構造から、円筒錠と呼ばれています。
ドリルによる丸穴だけで取り付けされる容易さから一時期、普及しました。

特に左側のモノロックは本締り機構がなく(デットボルトがない)、またシリンダーがノブに内蔵されていることから、破壊攻撃に対して弱く、外部回りの使用では本締り補助錠を併用することをお薦めします。



(開けられにくい鍵)


kagi2       kagi3


これらは本締り機構、ドアノブ(ハンドル)を共にケース(錠箱)に内蔵することから、箱鍵(ケースロック)と呼ばれ、彫込み型と面付け型があります。

左側の彫り込み型とは、ドアの厚みの中にケースを収める形式で、玄関などの外回りから書斎、寝室など施錠の必要な個所に広く使用されています。
錠(lock)の部分がドアの表面に出ないので、すっきりとしたデザインになりますので人気があります。


右側の面付け箱鍵は、箱鍵がドアの表面に付いている形状ですが、これは表から一番遠くに箱鍵があるため、『バールによるこじ開け』に対して最も効果的な鍵といわれています。




Q:補助鍵付きの窓からの侵入


用心して諦める・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・33%

鍵の付け具合によっては諦める・・・・・・・・33%

ガラスを破って侵入する・・・・・・・・・・・・・・33%


補助鍵が効果的に付いていた場合、約6割以上の賊が諦めると回答していますので、一定の抑止力があると考えられます。



Q:オートドアロックのマンションの場合

用心して諦める・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・73%

他の侵入手段、方法を考える・・・・・・・・・・・・13%

宅配便を装って居住者に開錠させる・・・・・・・ 9%

居住者の出入りを利用する・・・・・・・・・・・・・・ 4%


オートロックの効果がこれほどとは驚きです。

以前の記事で「オートロックの建物に侵入することは、それ程難しいことではない」と記載しましたが、賊に対してはかなりの抑止力になるようです。


しかし、逆に言えばオートロックの無いマンションは賊の標的になりやすいということが言えるでしょう。


さて、ここで前回の結果を含め、賊が侵入しにくい、つまりセキュリティの高い集合住宅をまとめると、


①共用出入り口がオートロック化され、容易に賊が出入りできない。

②各所に防犯センサーや監視カメラが設置されている。

③玄関扉には防犯性の高い鍵が設置されていて、ワンドア・ツーロックとなっている。

④窓ガラスに防犯ブザーや補助鍵等が設置されており、破壊しないと侵入できない。

⑤犯行が発生しても10分以内に警備員等が駆けつける。


といったイメージです。