マンションの防犯対策(4) | マンション管理の部屋

マンションの防犯対策(4)

さて、今回はマンションの犯罪についてごのような実害事例があるか?という点について考えてみたいと思います。


1.敷地内全域


● 放火や建物の損壊

● 悪質な落書き(スプレー等によるもの)

● 不要なビラ、チラシのポスト投函

● インターホンによる過剰セールス

  

○放火については非常に悪質な犯罪であり、深刻な被害をもたらす危険性が大きいので、何としてでも防止しなければなりませんが、放火犯はある特定の物件を狙って放火するというよりは、放火しやすい物件を物色して放火するケースが多いようです。


たとえば、共用廊下に無造作に古新聞などの燃えやすいものが置いてあったり、敷地内に中身の入ったオイル缶等、引火性の物が放置してあるといった場合、放火犯に狙われる危険性が高まります。


○落書きやチラシの投函は人目の少ない深夜に行われることが多いようです。

落書きについては落書き防止塗料という、落書きをされても簡単に汚れを落とせる塗料というものも販売されておりますが、重要なことは落書きされた場合、なるべく速やかに落書きを消すということです。

以前、「割れ窓の法則」学校で1ヶ所の割れ窓を放置すると、加速度的に窓の破壊が進んで、学校荒廃につながる)をご紹介しましたが、国道のグリーンベルト(植樹帯)におびただしい量のゴミ(弁当かす、雑誌、空き缶など)が捨てられているいるのもこの法則によるものだと思います。


「これだけゴミがあるのだから、自分が少しくらい捨ててもいいだろう」「いっぱい落書きがあるから、自分も落書きしてもかまわない」といった悪循環におちいります。

チラシについても、現実的には防ぎようがありませんが、防犯カメラを設置するとか、警察に通報する旨表示をするなど、管理組合として毅然とした意思を表示することが肝要です。

清潔に管理されているマンションには、なかなか悪戯しにくいものですから、このような被害にあった場合は速やかに対応するように心がけましょう。



ゴミ






2.廊下・エレベーター


●EV内での痴漢行為

●EV内での強盗

●廊下からルーフバルコニー等を経由しての住居侵入、その後下層階への飛び降りによる再侵入


EV内の犯罪は以前から危険が指摘されていて、最近は防犯カメラを設置する管理組合も多いようです。

少韓国のマンションでエレベーターに乗っていた女性が、二人組みの強盗に殴られて財布を強奪されるというショッキングな防犯カメラの映像をニュースで見た事がありますが、恐ろしいですね。

決して防犯カメラを設置すれば100%防げるというものではありませんが、賊としてもなるべくリスクを排除したいはずなので、その場所での犯行をあきらめさせるという抑止力にはなると思われます。




3.玄関、バルコニー


●ピッキング等、玄関鍵を破っての侵入、盗難

●ゴミ捨ての隙をついた侵入

●待ち伏せ強盗

●賊の宿泊(ゴールデンウィーク中)

●コンセント内等への盗聴器の設置

●バルコニー側より隣接物件への侵入、強盗


賊の宿泊とは、賊が忍び込んだ家で数日間生活をしたという実例です。

なぜこのような事が起きたかというと、賊は壁掛けのカレンダーから家族の旅行情報を入手していたようです。


我が家もそうですが、家族が情報を共有するためにカレンダーに色々な情報を書き込んでいます。
そうすると侵入した賊は、カレンダーから居住者の不在情報を入手して、ゆっくりと自分の仕事ができるというわけです。

実際に空き巣に入られた人のインタビューを見たことがありますが、その精神的ダメージは相当なもののようです。

賊とは顔を合わせてはいないものの、またいつ侵入されるか、いったい見知らぬ賊が、この家で何をし、何に触れたのかと思うだけで、不眠症やノイローゼになって引越しをするケースもあるようです。
賊が家に数日間滞在したなどといったら、、その精神的被害はどれほどのものか、計り知れないでしょう。



あと、ゴミ捨ての間の賊の侵入です。

マンションに限らず、ゴミを捨てに行く時に施錠をする人はどれくらいいるでしょうか?

多分、大半の人は開けっ放しでゴミ捨てに行くでしょう。

それは、「たった数分だから」という安心感だからでしょうが、往々にしてマンションの住民同士で井戸端会議になるものです。

この隙を狙っている賊もいるのです。

この場合、空き巣というより、もし住人が帰ってきてしまったら居直り強盗になってやろうと思っている場合が多く、外国人犯罪者に多いようです。



4.駐車場、駐輪場等


●バイク、自転車の盗難

●車両盗難

●車の後部座席側面の小窓を破壊しての車内侵入

●車内の現金、カード類の盗難

●タイヤ、ホイールの盗難

●オーディオ類の盗難(ナビゲーションシステム含む)


最近の大型スクーターブームで、中高年の方の二輪車人口が増加傾向にあり、マンションの駐輪場でも中型以上のオートバイが目立つようになってきました。


バイクは4輪の自動車に比べて圧倒的に盗難される確立が高く、ハーレーダビットソン専門の窃盗団もいるほどです。


バイクは重量が4輪くにらべて軽く、専門の窃盗団にかかると、クレーン付きのトラックを持ってきて、あっという間に盗んでいってしまします。


また、盗品バイクの処分ですが、バイクは車のように鉄板のボディーがないため、部品をバラバラにして海外に持ち出しますので、窃盗団にとっては発覚しずらいという利点があります。


バイク




最近では車のアルミホイールやタイヤ、カーナビやオーディオ類の盗難が増加していますが、理由の一つとしてネットオークションの普及があります。


以前であれば盗品は質屋やリサイクルショップに売るというのが常套手段でしたが、これらの方法では買い取る相手方がプロであるため足がつき易すく、賊にとっては危険が伴う処分方法でありました。


しかしネットオークションの普及で、素人との取引きの場が広がったことから、盗品の処分経路が広がり、窃盗犯罪を助長している側面があります。


また、最近では個人情報の保護が叫ばれていますが、カーショップで高級オーディオを購入し、取り付け作業を依頼したところ、アルバイト従業員がその車の車検証から所有者の住所を確認し、取り付けたオーディオを盗みに行くといった事例がありました。


賊はあらゆるところから情報収集をしています。

マンションのゴミ捨て場に高級パソコンが梱包されていたダンボールが、宅配便の伝票が付いたまま捨てられていて、賊がその伝票からその家に空き巣に入り、まんまと新品のパソコンを盗み出したとう事例があります。


用心をするに越したことはありませんから、カーショップに車を預けるときは車検証を入れておかないとか、ゴミには自分の個人情報がないことを確認したほうが良いと思います。


まさに、壁に耳あり 障子に目ありです。