オール電化 | マンション管理の部屋

オール電化

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最近すっかりお馴染みとなった「オール電化」という言葉。

そうです、鈴木京香さんと、いかにも頭の良さそうなお坊ちゃま君が出演する、ご存知のTVCMですね。最近では迫力の有る「おばあちゃま役」として、江波杏子さんを投入する力の入れようです。

 

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【オール電化】

キッチンや暖房や給湯などの主な住宅設備のエネルギーをすべて電気で賄うシステム。

 

オール電化にすると、もうガスや灯油は必要無いということですね。

私の子供の頃はまだ「煉炭」や「豆炭」、「湯たんぽ」で暖を取っていたものですが時代は変わったものです。しかし、「オール電化」だと停電したらお手上げですね。

 

さて、このように電力各社では「オール電化」キャンペーンを積極的に推進しているところですが、これに対し4月末に公正取引委員会が関西電力に対し、警告を行いました。

 

以下は新聞記事です。

 

関電、オール電化営業で独禁法違反の恐れ 公取委が警告

 

関西電力(大阪市)は新築マンションの建設業者らに対し、オール電化を条件に不当な営業を繰り返していたため、公正取引委員会は21日(4月)、独占禁止法違反(不公正な取引)の恐れがあるとして、同社に警告した。

 

公取委によると、関西電力は住宅のオール電化を普及させるため、02年頃から「オール電化」に協力する業者を優遇する一方で、ガスを使う業者に不利な取扱いをするようになった。

 

部屋数が20~150戸のマンションを建設する際には、通常であれば建設業者に対し、建物の中に変圧器を置くための「受電室」(車約2台分)の設置を求めるが、オール電化を採用した場合には、屋外の変圧器の使用を認めていた。

業者は販売する部屋の面積を確保したいため、「受電室」の設置を嫌がるが、オール電化に協力したことで、受電室の設置を免除されたマンションは04年10月までの1年間で約500棟あった。ガスを併用する業者には受電室に設置を求めたという。

また、戸建て開発業者が景観の向上を理由に、電線を地下に埋め込みたいと希望した場合にも、要望に応じる条件としてオール電化への協力を求めていた。戸建て開発は、大阪府堺市や兵庫県芦屋市などで十数か所にのぼったという。

 関西電力はこうした取扱いを社内のマニュアルで定めており、公取委はマニュアルを見直すように指導した。

関西電力は「警告を真摯に受け止める。必要な社内ルールの見直しを行い、従業員に周知徹底し、公平かつ公正な取扱いに努めたい」とコメントした。

   

公正取引委員会(公取委)は、世の中の不公正な取引きを排除するための機関で、主に独禁法による取り締まりを行います。独禁法は正しくは「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」という長ったらしい名前の法律なので、六法で調べようと思われた方はご注意ください。

 


さて、この件で注目したいのは、オール電化を採用したマンションには、

「受電室」の設置を免除した  という点です。


マンションの中で居室などの専有部分以外を共用部分と言い、区分所有者の共有財産です。

この受電室も当然共有財産であり、管理組合としては受電に必要な変圧器の設置のため「やむを得ず」電力会社に「受電室」を提供しているわけです。しかも、この借室契約は無償ですから、ただで部屋を貸していることになります。


もし、この「受電室」が必要なければ、このスペースを事務室や管理員室、駐輪場や倉庫など有効利用ができます。

管理組合としては受電のために必要だと思うからこそ、無償の借室という不利益な契約を結んでいるわけて、オール電化を採用したマンションにのみ借室を免除するというのは、非常に不公正な取引であると言わざるを得ません。


以前、ある管理組合が過分に広い受電室を縮小するように電力会社に求めましたが、交渉は難航したようです。


皆さんも一度、普段あまり見る機会のない「受電室」を確認してみてください。