個人情報保護法(8) | マンション管理の部屋

個人情報保護法(8)

           モリゾー


最長10連休と言われたゴールデンウイークも終わり、皆さんもやっといつものペースに戻った頃でしょうか?


愛知県では35年ぶりの万博が開催され、多くの方が足を運びました。私も愛・地球博に行きましたが、「冷凍マンモス」には非常に感動しました。


さて、個人情報保護法の連載途中でしたが、ペット訴訟の判決を報告したり、GWに入ったりで随分と間があいてしまいましたが、個人情報保護法は今回を含め、あと2回の予定ですからどうぞお付合いください。



さて、前回は「管理組合はどのように対処すべきか」について記載しましたが、今回はさらに具体的な対策について記載します。

 

①書類のチェック

まず、管理組合で作成したり、あるいは組合員等から作成、提出された書類にはどのようなものがあるのか、改めてチェック・整理してみてください。今まで説明したような個人情報が記載された書類がかなりあるはずです。

②細則の作成

組合名簿や入居者名簿等については、それたの作成、保管、運用に関する細則を作ってください。

主な項目は、

名簿の利用目的

名簿に掲載する情報の範囲(部屋番号、住所、氏名等)

情報の取得方法

名簿の作成・更新

名簿の管理・保管

閲覧請求があった場合の方法や閲覧を認める範囲

 

また、防犯カメラを設置している管理組合では、その設置目的のほか、そのような場合に映像の閲覧ができるのかを定め、閲覧の際の立会人の定めと、その者の守秘義務、映像の貸与、映像の保存とその取扱い等について定めておくことが必要です。

以上のように、組織的・制度的に、安全管理措置を講じなければなりません。

 

③保管方法の確認

個人情報が記載された書類等の保管については、理事会でその管理方法を早急に決めて、誰でもが簡単に取り出したり、見たりすることができないよう、あるいは盗難の被害などにあわないよう、鍵のかかる場所に保管するなどして、物理的な面での安全で適正な管理に努めなければなりません。これらの書類を取扱うことができる者の範囲も決めておきましょう。

 

④教育・訓練

管理組合自身が管理員を雇用している場合は、その管理員に対し、個人情報の漏洩、滅失等がないよう、教育や訓練等の人的な面での安全管理を行うことも必要です。

 

⑤ソフトウエア対策

例えば、組合員名簿等がパソコン入力されている場合には、ソフトウェア対策など技術面でも安全管理措置も必要になります。

 

⑥監督義務

管理組合が管理会社に管理を委託している場合は、前述のとおり、管理会社に対する監督義務が課せられるので、委託する業務の遂行に必要な範囲の個人情報か否かを検討し、必要な範囲の情報を提供するよう、限定することが大切ですし、管理会社として、個人情報に関しどのような取扱体制をとっているのかを確認しておかなければなりません。

⑦管理組合が個人情報が記載された書類を組合員等から提出してもらう場合は、その書類に、あらかじめ利用目的を明示しておきます。

 

個人情報保護法では個人データが5000件未満の事業者は適用除外となりますので、一般的なマンション管理組合は同法の対象にはならないと思われますが、立法趣旨を尊重し、あくまで個人情報保護法に則した対応を取ることを前提に記載しております。