個人情報保護法(5)
個人情報保護法の第5回目です。
第三者提供の制限(個人データに関する義務)
個人情報取扱事業者(以下「事業者」と表記します)は、あらかじめ本人の同意を得ないで、個人データを第三者に提供してはなりません。(当然ですが法令に基づく場合などは除かれます。)
ただし、「事業者」はあらかじめ個人情報を第三者に提供すること等を通知しているような場合には、本人の同意は必要ありません。
多くの管理組合は管理会社に管理業務を委託していますが、では管理会社は、この法律にいう第三者にあたるのでしょうか?当るのであれば本人(各区分所有者)の同意が必要ということになります。
実は、「事業者」が業務の委託先に個人データを提供する場合は、第三者提供に該当しないのです。
現代社会では様々な業務を外注(アウトソーシング)することは一般的ですし、その都度膨大な数になる本人への同意を求めることは現実的ではありませんし、いちいち同意を求められる我々も大変な負担になります。
法律は、第三者の関与が単なる作業に限定されていて、「事業者」自身がその利用目的を遵守するのであれば、本人に格別の不利益は無いと考えるからです。
したがって、管理組合が管理会社に管理業務を全部委託するにあたり、組合員名簿や入居名簿に記載された個人データを提供することは、第三者提供に当らず許されるということになります。
だだし、この場合、管理会社に対し個人データの安全管理がはかられるよう、
必要かつ適切な監督を行わなければなりません。
管理会社に任せっぱなしでは、管理組合として義務を果たしたことにはならないのです。
次回は、管理組合が求められる「必要かつ適切な監督」とはどのようなものかについて解説をします。
※個人情報保護法では個人データが5000件未満の事業者は適用除外となりますので、一般的なマンション管理組合は同法の対象にはならないと思われますが、立法趣旨を尊重し、あくまで個人情報保護法に則した対応を取ることを前提に記載しております。