(閑話)マンション建て替え促進制度
個人情報保護法といった難しい話しが続くと疲れますから、またまたちょっと寄り道を。
東京都が老朽マンション建て替え促進のために作った制度を適用した初めてのマンションが、東京・渋谷区で建設されます。
建築後30年以上たつマンションを対象に、容積率などの規制を緩和。建て替えて増えた住戸と分譲し、建設費を捻出しやすくするものです。
国の「マンション建て替え円滑化法」も含め、各種制度を利用し老朽物件の建て替えを促進する動きがようやく出始めてきました。
新マンションの名称は「ジェントルエア神宮前」で、鹿島が建設し2007年の完成予定です。
1973年(昭和48年)に建設された「神宮前センチュリーマンション」を建て替えてるものです。
築30年超ですね。
戸数は52戸から110戸と2倍以上に増え、その内54戸は従来の地権者(区分所有者)の住戸となり、残る56戸を分譲します。
28戸が販売済みで、現在残った住戸のうち21戸を分譲中です。
このマンションの建て替えに際しては、東京都が2002年に創設した「共同住宅建替誘導型総合設計制度」を活用しました。
主に23区内を対象に容積率を最大300%まで上乗せできるようにするほか、建物の前面道路幅に関する規制なども緩和する仕組みです。
敷地の共同化などで土地を有効利用する総合設計制度を活用することが条件です。
この総合設計制度というのは、
敷地内に一定割合以上の空地を有する建築物について、敷地内に歩行者が日常自由に通行又は利用できる空地(公開空地)を設けるなどにより、特定行政庁の許可により、容積率制限や斜線制限、絶対高さ制限が緩和されるものです。
要するにビルやマンションを建るとき、まわりの余っている土地を公園のように誰でも出入りできるような空地(公開空地)にして役立てるかわりに、規制を緩和してもらうという制度です。
老朽マンションの建替えについては、これから益々深刻な問題になることは間違いありません。
皆さんのマンションでも、対岸の火事と思わず、早めの検討をおすすめします。