個人情報保護法(7)
昨日発生しましたJR西日本福知山線の事故で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げます。
さて、今回は「マンション管理組合はこの法律にどう対処すれば良いか?」についてです。
管理組合が組合員の個人情報を取扱う場面は、組合員名簿や入居者名簿をはじめ、駐車場使用契約書、入退去届のほか、専有部分の修繕等の工事申請書や管理費滞納状況表、自動振替にかかる預金口座、さらには防犯カメラ映像まで、多岐にわたります。
多くの管理組合は、毎回記事の末尾に注記してあるとおり、取扱う個人情報の量が5000人を超えることが無いため、結果的にはこの法律の適用を受ける事業者には該当しないことになりますが、前にも記載したとおり事業者の定義は営利、非営利を問いませんので、管理組合は「事業者」の範疇に入ると考えられます。
分かりやすく言うと、「本来はマンション管理組合も「事業者」として個人情報保護法の規定が適用されるべきだが、情報数が少ない(5000人未満)ので、負担を軽減するために法律の適用を免除する」ということです。
この法律の施行の趣旨は、個人情報やプライバシーの保護意識の高まりから生じたものですから、管理組合としても率先して取り組むことが望ましいでしょう。
では管理組合としては具体的にどのような事に注意をすべきでしょうか?
以下は、(社)高層住宅管理業協会が発行した「マンション管理業における個人情報保護法の解説」(平成17年2月)の中の、第4章管理組合と個人情報保護法の中からの引用です。
①「個人情報」を取扱う者(理事長および役員)は、これが保護すべき
対象であることを十分認識すること。
②「個人情報」の取得の際には、この情報は「マンションの管理運営の
目的に限定、使用 される」ということを明示すること。また、それ
以外の目的に使用するときは、必ず本人の同意を得ること。
③「個人情報」が記載された帳票類等の閲覧については、管理組合の
手続き、基準等のルールを定め、これに基づいて行うこと。
④「個人情報」が記載された書類等の保管については、管理方法を定め
安全管理に努めること。
⑤取扱う「個人情報」は、これを正確かつ最新の内容に保つようにする
こと。
⑥委託業務遂行上、第三者(業者)へ管理組合が保有する「個人情報
(個人データ)」を提供する場合は、次の事項に注意すること。
・提供する「個人情報」の限定(利用目的に応じた必要最小限の情報)
・委託先における「個人情報」取扱体制(安全管理)の確認
⑦「個人情報」の取扱いに関する組合員からの相談申出先(体制)を定
めること。
これら以外にも注意を要する事項はありますが、大事なことが組合員等が自分たちの情報はどのように取扱われていつのか、取扱われるべきなのかについて関心を持つこと、管理組合として適正な管理を実現できる環境を整備しておくことです。
※個人情報保護法では個人データが5000件未満の事業者は適用除外となりますので、一般的なマンション管理組合は同法の対象にはならないと思われますが、立法趣旨を尊重し、あくまで個人情報保護法に則した対応を取ることを前提に記載しております。